Stardust Crown
ガンソールは、"guns or butter?" の『GUNS OR』の部分を、音が良くなるように読んだものです。"guns or butter?" というのは、いわゆる「大砲かバターか」と訳されるもので、最近は余り聞かない言葉ですが、「軍備と国民生活の質の向上を両立させることはできない。」という意味で使われることが多かったようです。(本来は、軍備を優先させるべき、という趣旨で用いられたものですが……。)
ガンソールは、二人対戦用の、トランプを2組用いた、オリジナルのビッドなしトリックテイキングゲームです。トリックごとに勝敗が決まるのではなく、プールと呼ばれるところにポイントが累積されていって“勝者総取り”的に一気に片方にスコアが加算されるところが特徴です。“開発”と“交戦”の2つのシーズンに別れていて、特に絵札をどちらで使うかの作戦が勝敗を決めます。ということで、予算配分のような楽しみがあるので、「大砲かバターか」に由来する名前を付けたものです。
ガンソールでは、開発シーズンと交戦シーズンという2つの場があります。開発シーズンでは両者ともプールを累積することができますが、交戦シーズンにおいては勝者のみがプールを獲得します。そして、交戦シーズンの終結のときにプールの大きい方が、2人のプール両方ともをスコアに加算できるのです。
ガンソールは、通常のトリックテイキングゲームとは異なる独特な方式を採用しているので、ゲームの流れの前に、ゲームで用いる用語やシステムについて説明しておきます。
ゲームの最初に、両者が1枚ずつカードを引き、そのカードの強い方(後述のカードの強さを参照してください)を初期のマスターとします。(なお、引き分けの場合は、決着が着くまで繰り返します。)マスターは、各トリックで先にカードを出す側です。マスターでない方を、スレイブと称します。
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すべてのカードをシャッフルします。(ジョーカー1枚を含む53枚のトランプを2組、計106枚のカードを使用します。)それから、マスターから順に1枚ずつ、各々計5枚のカードを配ります。(2回目以降のディールで手札を5枚にできない場合は、山札が尽きるまでカードを引きます。)ここから、新しいシーズン(プールがリセットされてから、スコアに加算されるまでの期間を指します)がはじまります。
マスターから順に、1枚ずつカードを出していきます。スレイブは、マスターの出すカード(台札と呼びます)を見てから自分のカードを選ぶことができますが、出すスートに制約の付く場合があります。詳細は、以下のように開発シーズンと交戦シーズンで異なります。各トリックの勝者が、次のマスターになります。
開発シーズンでは、キャントフォローというルールが適用されます。つまり、スレイブが台札と異なるスートのカードを持っている場合、スレイブは台札と同じスートのカードは出せません。もしも異なるスートのカードが何枚もあるときは、そのどれを出しても構いません。また、同じスートのカードしかないときは、次の、シーズンの切り替わりで説明するように、交戦シーズンが始まります。
開発シーズンでは、それぞれのプールに、自分が出したカードに応じたポイントが加算されます。(トリックの勝者は次のマスターを決めるためだけのものです。)さらに、お互いがカードを出した後、山札が残っているなら、それぞれがカードを1枚ずつ補給することができます。
次のいずれかによって、開発シーズンが終わり、交戦シーズンに突入します。これを“開戦”と称します。
交戦シーズンでは、マストフォローというルールが適用されます。つまり、スレイブが台札と同じスートのカードを持っている場合、スレイブは台札と異なるスートのカードは出せません。もしも同じスートのカードが何枚もあるときは、そのどれを出しても構いません。また、同じスートのカードが1枚もないときは、好きなカードを出すことができます。
交戦シーズンでは、各トリックにおける勝者のみのプールに、場札2枚のカードに応じたポイントが累積されます。(もしも引き分けならば、各々のプールにポイントが累積されます。)なお、交戦シーズンでは、カードを出しても、山札から補給することはできません。手札は1枚ずつ減っていくことになります。
次のいずれかによって、交戦シーズンが終わり、休戦シーズン(プール清算)に突入します。これを“休戦”と称します。
交戦シーズンが終わると、より大きなプールを持った側の勝利になります。同時に、2人分のプールが勝者のスコアに加算されます。もしも両者のプールが等しければ、各々が自分のプールをスコアに加算することができます。
そして、まだ山札が残っているのなら〔2〕に戻ります。(プールはまた0にリセットされます。)山札が尽きているのであれば、〔5〕に進み、ゲーム全体の結果を確認します。
山札も手札も尽きた場合、その時点でより大きなスコアを持っている方の勝利です。もしもスコアが同じなら引き分けになります。
エース、絵札、数札が三つ巴の関係にあります。
エース(A)は、絵札(J、Q、K)に対しては勝ちますが、数札(2〜10)には負けます。次に、絵札(J、Q、K)は、エース(A)には負けますが、数札(2〜10)には勝ちます。絵札同士では、K>Q>Jの順で強さが決まっています。そして、数札(2〜10)はエース(A)には勝ちますが、絵札(J、Q、K)には負けるのです。数札同士では、数の大きい方が強くなります。
風(黄)>火(赤)>水(青)>地(緑)の順で強さが決まっています。(風が最強、地が最弱ということです。)
ジョーカーは、いつでも最弱のカードです。また、開発シーズンではいつでも出せるものとします。ただし、交戦シーズンでは、マスターか、フォローできないスレイブにしか出せないものとします。さらに、スレイブがジョーカーを出した場合、シーズンに関わらず、その瞬間に両者のプールが交換されます! (マスターが出しても何も起こりません。)
カードの勝敗を決めるときは、はじめにランクを比べ、それの強い方の勝ちになります。もしランクが同じならスートによって決定します。(ジョーカーについては前述の通り最弱です。)両者が同じカードを出した場合はスレイブの勝ちとします。
さらに、カードの得点は以下のように決まっています。エースと絵札は、開発シーズンの時と、交戦シーズンの時とで得点が異なります。スラッシュの左側が開発シーズン、右側が交戦シーズンの得点です。
ちなみに、トランプ2組では、すべてのカードの高い方の得点の合計は760点になります。
著作・制作/永施 誠